【八ヶ岳エコハウスほくほくを訪ね、podcast収録を行いました】

10/4~5に、山梨県北杜市にある「八ヶ岳エコハウスほくほく」をみんなで訪ねてきましたよ!
八ヶ岳や南アルプスが見渡せる、標高600mの場所にある「ほくほく」のオーナーは、朝日新聞の記者をされている斎藤健一郎さん。
斎藤さんは、築40年の空き家を延べ200人の方たちとリノベーションして、家の断熱気密性能を高め、その上で再生可能エネルギーだけで暮らせるようにしたんです。
そう、「ほくほく」は、光熱費0円のエコな家なんです!
私たちを笑顔で迎えて下さり、ドアには「ようこそ!」のウェルカムメッセージが✨
私たちはあっという間に「ほくほく」のあたたかな雰囲気に魅了されていきました。
今回は、事務局をされている川合英二郎さんも一緒に案内をして下さいました。
そして早速、「エコ」な仕組みがどこに施されているのか、みんなで探しましたよ!
最初から説明を受けるよりもずっと楽しく、子どもたちもより一層、関心がわいたようでした。
その後、斎藤さんからひとつひとつ説明を受け、また、なぜ光熱費0円の家をつくろうと思うに至ったのか・・・など、たくさんお話を伺いました。
この家の「エコ」な仕組みは・・・
〇三重窓、厚みがありパッキンもあるドア、断熱材などで気密性を高める
〇太陽光発電パネル(バッテリーがあり蓄電ができる)
〇太陽熱温水器
〇薪ストーブ
〇薪ボイラー(曇って使えない時の二次手段)

見てわかるように、この家の大きな特徴は、断熱・気密性能を高めた上での再生可能エネルギー使用。
太陽は熱エネルギーそのものなので、熱を作るほうがエネルギーの変換効率が6割と高く、光を電気に変えるのは2割ほどの変換効率なのだそうです。
このような特徴を生かした、電気は得意なところに任せるというシステムに、一同感心することしきりでした。
断熱・気密構造がしっかりしているおかげで、太陽光パネルの数も通常より少なくて済み、薪の量が少しでも、部屋の中がすぐに暖かくなるということでした。
真冬、外が-5℃の時でも家の中では半袖で過ごせると聞き、驚きました!

現在日本の家の4割が無断熱の家と言われているそうです。
さらに、日本の断熱・省エネ基準は、世界の国々に比べるととても低いのだそうです。
それは住まい手の論理ではなく、作り手の論理ということで・・・(悲)
斎藤さんの願いは、日本の住宅も気密性の良い家がどんどん増えていくこと。
日本では、断熱材を入れるのはお金がかかるよね・・・の発想がまだまだ根強いそうです。
でも長い目で見れば、家の性能が良いと、ヒートショックの危険性も減り、健康になって、結果医療費もかからなくなり、経済的負担の軽減につながります。
「この家が本当に気持ち良いのは、電気代ゼロ円ということ。太陽ありがとう!という気持ちになる。こんな家が当たり前になっていったらいいな。そうすれば断熱材のコストも下がり、どんどん作っていけて、そんな世の中になり、みんなが幸せになったらいいなと思う」
と語る斎藤さん。

「自分だけが幸せになっても全然だめで、みんなが幸せにならないと意味がない」
と語るのには理由があります。
それは、斎藤さんが福島に赴任中に東日本大震災に遭い、自分も被災者になり、たくさんの人が苦しむ光景を見てきたからです。
首都圏の人が使う電気をつくるために福島の人たちが土地などを提供していたのに、いざ事故が起こって一番困ったのは、福島の人たち。
先祖からの土地や家を奪われ、お墓まいりもできない。自分も被災者になりながらそんな状況を取材して、
「自分は新聞記者なのに、なぜこんな危険なものがあったのに、警告するような記事も書かず、ほかのやり方があるんじゃないか?と提案することもできずにいたのだろう」と、とても後悔されたそうです。
「何か起こった時、人間がコントロールできないものに電気を頼るのは健全ではない」と思い、自分の目の届く範囲のもので、どうしたらエネルギーをつくって暮らせるか?を考え、試してこられたそうです。
「悲しい思いは誰もしちゃいけない。二度とこういうことがあってはいけない。」と語る斎藤さん。
福島の原発事故を経験して、世の中のシステムがどんどん良いほうに変わっていけばいいのに、逆にもどってきてしまっている現実を危惧されていました。
新聞記者として、このような経験をされているからこそ、斎藤さんから伺ったお話は、説得力があり、重みがありました。
また、自分の敷地内で太陽光を利用するのではなく、森林など自然を破壊し設置されるメガソーラーは大反対とおっしゃっていて、私たちも大きくうなづいたのでした。
事務局の川合さんからは、「プロの方はもちろん、建築を学ぶ学生さんにもどんどん見学に来てもらえたらうれしい」とお話がありました。
実は川合さんは、太陽熱温水器メーカーの老舗「チリウヒーター」の副社長をされていて、お二人は、川合さんが太陽熱温水器を設置した時からの仲。
川合さんは、「ほくほく」をみんなに知ってもらえるよう、エコという観点以外でも、たくさんの魅力的な企画をして、輪が広がっていくようにお手伝いをされているそうです。
お2人の名コンビぶりは最高で、終始笑いが絶えませんでした。
平和が大好きな斎藤さん。
「イライラしないで、明るく心配ない暮らしをしてみんな笑顔で”ほくほく”していけたらいいな」
との言葉どおり、私たちの心はずっとあたたかく、ほかほか、ほくほくな2日間でした✨

そんな、魅力いっぱいの「ほくほく」での様子が、podcastにたっぷり収められていますので、
ぜひお聴きくださいね。
また、めぐちゃんが「ほくほく」の魅力がギュッと詰まった素敵な動画をつくってくれたので、
こちらもぜひ観てもらいたいです。
https://www.instagram.com/reel/DPjCdL7kdsb/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
斎藤さん、川合さん、ありがとうございました!
by ふのママ

