「なごや国際オーガニック映画祭」に参加しました
こんにちは。新年度が始まりましたね。
皆様いかがお過ごしですか?
さて、日にちがたってしまいましたが、
2月23日にグリジャメンバーで「なごや国際オーガニック映画祭」に参加してきました。
当日のゲストでいらっしゃった、文化人類学者の辻信一先生へのインタビューは
ポッドキャストですでに配信されていますので、
聴いて下さった方がいらっしゃるかもしれませんが、
今日は映画祭&辻先生の講演の様子をお知らせしますね。
今回は、
「リジェネラティブ(大地再生)」をキーワードにして
2本の映画鑑賞のあと、辻信一先生の講演を聴くという、実に贅沢な一日でした。
午前は、『種まいて 水やって 自然栽培パーティ!』を鑑賞しました。
農福連携を自然栽培で取り組む人々を追ったドキュメンタリー映画で、
主な舞台は豊田市。
元気と勇気をたくさんもらえるとても良い作品でした。
失敗しながらも、土に触れることで、ハンディを持った方たち、
彼らを見守る職員、サポートする地域の人々がどんどんつながって、
どんどん笑顔になっていく様が胸を打ちました。
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午後からは、辻先生が翻訳をされた、
2021年アメリカ映画『君の根は。大地再生にいどむ人びと』(原題:To Which We Belong)
〜自然に手を加えない農業が、大地再生の希望につながるドキュメンタリー映画 〜
を鑑賞しました。
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この映画や上映後の辻先生のお話では、
大切な言葉をたくさんいただきましたので、
皆さんとシェアしたいと思います。
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今回のお話で、特に心に残ったのは、
「脱炭素ではなく、炭素を土に閉じ込める、炭素を土に戻す」という考え方でした。
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そして、とても感動したのが「土の中にも目を向けよう。
大切な答えは、ぼくたちのすぐ足元、土にある」 との話の中で先生が見せてくださった、
土の下に広がる根っこの写真(絵)でした。
「そうか、私たちって、見えているようで、見えていないことってたくさんあるんだ!」
と目からうろこでした。
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「炭素を土に閉じ込める、炭素を土に戻す」、その方法が、
「リジェネラティブ(大地再生)農業」。
この農法の特徴は、まず土を耕さないこと。
耕さないことで、土の中に固定されている
炭素をそのまま土の中にとどめておけるのだそうです。
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農業は工業よりも、自然に優しいと思われてきたけれど、
ここ最近、特に10年くらい、農業は破壊的なことをし続けてきたということ。
排出するCO2の40%は、農業由来とされていて、
それは20世紀に入ってから加速しているということ。
それは、農業が工業型・化学的農業に変わってきたからにほかならないということ。
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工業的農業とは、効率性を求め、農薬をまく、単一栽培などのこと。
効率化を求め、肥料をまく→病気が発生する
効率化を求め、肥料をまく→病気が発生する
→病気をおさえるために農薬をまく・・・の悪循環。
そんな工業的農法でできた野菜は、
かつての野菜の栄養価より劣っているということ。
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先生がお話される内容は、「まさにその通り」と納得させられることばかりでした。
そして「人間の健康は、土の健康とつながっている。
自然を破壊し続けて、自分だけ健康であることなどできるわけがない。
これまでの人間を主語とする人間中心の農業や牧畜からの転換を図っていくことが大切」
というお話は、本当にその通りだと思いました。
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人間のエゴだけで進めていては、いつかしっぺ返しがくるのは当然ですよね。
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そして、「これからは、ローカルとリジェネラティブの組み合わせが大切。
これは、私たちのやるべき仕事。
すべての経済はもともとはローカルだった。
すべての経済はもともとはローカルだった。
食べ物をグローバルシステムに乗せてしまったことが大問題。
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グローバル経済が少しでもきしむと、
今回のように、一番弱い立場の人々が傷ついてしまう。
飼料、肥料、農薬、燃料など輸入に頼ってきた日本。
それらの値段が高騰している今が転換のチャンス!」
というお話も、まさにおっしゃるとおり!と膝を打つ思いでした。
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本当に大切なことは何か?を、私たちがちゃんと認識をして、
そして行動していけたら、
社会はきっと変わっていけるだろうなあと思いました。
そして、私たちもその一員になっていけたらいいですね。
そして、私たちもその一員になっていけたらいいですね。
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そして後半は、「ムダ」に絡めてのお話でした。
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「現代では、効率ばかりを追い求め、”無駄”がどんどん排除されている。
無駄がどんどん省かれていて、そして生きづらくなっていく、そんな世の中って何?」
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「人間は、役に立つもの、役にたたないものと、つい分類してしまう。
それって??
役に立つということから、自らを解き放たなくては!
役に立つということから、自らを解き放たなくては!
その時に、人間の本質がにじみ出てくる。」
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「植物を育てることは、自分の癒しでもある。
自分の心が喜ぶことをしよう!」
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「 希望は“あるか、ないか”ではなく、”育てる”もの。」
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心にとどめておきたい言葉を、本当にたくさんいただきました。
そうですよね、私たちは効率ばかりを望みすぎてきてしまっているなぁ~と反省しました。
先生の著書「ゆっくり小学校」を読んで、心を切り替えてみなくては!
辻先生、ありがとうございました!
最後に、映画に出てきた言葉を添えて終わります。
・この大地は、あなたや私のためにつくられた。
・自然の力を信じ、その営みに任せてみよう。
・人間は、大地というコミュニティの中の一員だ。
(ふのママ)